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誰かと何かと関わって芽生えたもの、日々のささいな想いを写真と綴ります。Calgary - Vancouver-Inuyama,Aichi


by tropi-kana
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ヤクシカのこと

ひさびさの更新になってしまいました。


さて屋久島でのお話をもうすこし。
屋久島の野生動物として代表的なものに、ヤクザルそしてヤクシカがいます。その名の通り、屋久島固有種のシカなのですが、この両者はとても密接な関係にあって、サルをおっていると、必ずどこかでシカに出会います。

 ご存知のとおり、猿は縦横無尽にうごき、そして木に登り、実や葉、昆虫などをたべるわけですが、このとき、地面には、青々としたやわらかい枝先、そしてサルがおとした果実などがおちてくるので、それはシカにとっても、魅力的な食べ物となり、サルたちのいる真下でシカたちもおいしそうについばむ姿もよく見られます。
 
 
あれは、森に通いだして3、4日目のことだったでしょうか。
ふと、横の方に誰かの目線を感じたような気がして、目を凝らしてみると、木々の幹のあいだに とても立派な角と、グレーの豊かなあごひげを蓄えた老齢の雄鹿でした。 
 ずっとこちらを見据えているその弓形の澄んだ瞳は、全てを見通しているような眼差しでした。 わたしが驚かすことのないよう、ゆっくり頭を下げるとくるっときびを返して、振り返ることなく谷間に姿を消しました。
  
  あの鹿に会ったのは、その時が最初で最後でした。
 

ヤクシカのこと_f0119023_20393740.jpg


*写真は別の壮年の牡鹿
# by tropi-kana | 2007-11-06 20:41 | 屋久島

Following the monkeys..

 屋久島でサルを追っている毎日です。

正確にいうと、ヤクザル(ヤクシマザル)の行動生態調査を行っています。
 ヤクザルは屋久島固有種のサルで他の地域のニホンザルに比べて、一回りも二周りも小型な体型をしています。
 世界遺産に指定されている屋久島ですが、もちろん人も住んでいるわけで島全体が保護林として指定されているわけではなく、島の中心部にある山岳から三方に広がっています。そのひとつに唯一山頂部から海岸まですべて保護林として守られている斜面があり、照葉樹林の500平方kmのエリアが調査地である森です。
 そこに暮らす特定の群れと共に山を歩き、彼らの生態を調べるのです。

わたしは、霊長類研究者であるパートナーの研究に同行させてもらって、主に写真撮影でお手伝いをさせてもらっているのです。朝、空が白み始める頃に家をでて、20km程離れた調査地にスクーターで向かいます。だいたいの彼らの行動範囲はわかっているのですが、傾斜があり、沢も谷もある森の中で彼らを見つけるのは、簡単ではありません。
 
 立ち止まり耳を澄まします。

クゥクゥという群れを確認する声や、グゥォッという吼え声をきければ、そこに向けて急ぎます。
でも6時間も歩き回って、とうとう探し出せなかった日もありました。
 ここのサルは、人から餌付けされていない野生のサルです。人に餌をねだることもありませんし、何日か静かな観察者に徹していれば、まさに人畜無害な存在としてみなしてくれるようになります。
 
Following the monkeys.._f0119023_1620129.jpg


 野生のサルはとてもしなやかです。

そして毎日、この群れについて山の中を歩いていると、40頭ほどの顔や性格、体調などもわかるようになってきます。

 それは こんどまた。
# by tropi-kana | 2007-10-19 16:15 | 屋久島

Here we come!

 屋久島にきて5日目の夜を迎えています。

いろいろ いろいろ お伝えしたいことはあるのですが、インターネットにアクセスしづらい環境なので、また次回にゆっくりしたいと思います。

 屋久島の海も山もすばらしいです。
 みなさまもぜひ!!
Here we come!_f0119023_18355178.jpg



*わたしたちの家のすぐそばの海にて。
# by tropi-kana | 2007-10-08 18:36 | 屋久島

へんか

長くしていた髪をばっさりいきました。
へんか_f0119023_14203996.jpg


突発的に、なんだか短くしてみたくなって。
思えば、10年くらいぶりかな、高校卒業する時から伸ばし始めたから。

軽くなった頭をぶんぶん振っていたら、
肩こりがすっきりした。

いいぞいいぞ。
# by tropi-kana | 2007-10-03 14:22 | ひとりごと

石川直樹という人

同世代で尊敬する人のひとり、石川直樹さん。

石川直樹という人_f0119023_1559770.jpg


彼は数々の偉業を成し遂げている。やってきたこともそれはもう。とてつもないが、それを人々に伝える能力にも長けている。そんな石川さんのP2P(Pole to Pole) 北極から南極までスキーやカヤック、自転車などの人力でもって走破するという大プロジェクトの記録を読んだ。

この中で彼は、自分のことを冒険家などと呼ばれると穴があったら入りたい気分になるとさえいっている。しかし、わたしたちにとって彼らは紛れもない冒険家だ。
 それは、世界最年少で7summitsを登頂したとか、与えられた称号からではなく、どんなに肉体が過酷な状況にあろうと、その遥か先にあるだろう何か未知なものに対して、いつも貪欲でありつづけられる人だからだと思う。指先が凍りそうな北極でのソリ引きや、砂漠での焼け付く太陽のもと走り続けるバイクライドや、暴風吹き荒れるパタゴニアの平原を一歩一歩すすむ姿。

 あたたかい窓の内側にいる私にも、そんな途方もない冒険に思いを馳せさせてくれる一冊。
# by tropi-kana | 2007-10-02 16:01 |